「やれやれ、止めて欲しいですねぇ」
今日は安全かと思っていたのに、だ。
まさか奇襲を頂くとは。
ちらり、と隣を見ればリーンも驚いた顔をしている。
「……」
人数的には問題は無い、自分一人で余裕に倒せる。
だが、今は彼女がいる。
実力は問題無い、自分の右腕としている人物なのだ。
だが、怪我をして欲しくない、危険な目にあわせたくない、だがこの世界、そうも言っていられない。そんな矛盾があった。
「トパーズ」
大丈夫よ、とリーンは微笑んだ。
そんな切羽詰まった表情をしていただろうか、彼女に心配させてしまう位。
全く、本当にリーンの事となると余裕も何も無いんだな、なんてこっそり苦笑。
それ位彼女が大切、という事だ、悪い事でも無いと思っておく。
「さて、どうしましょうか」
「ふふ、どうしましょうね」
一斉に、敵がこちらに銃口を向けた。
「嘗めないで頂きたいですね」
「ふふ、そんなもので簡単に殺られると思ってるのかしら」
すらり、と刀を抜く。
リーンは拳銃を抜いていた。
大丈夫、余裕だ。自分も、彼女も、互いを信頼しているからこそ。
「行きますよっ!!」
それを合図に一斉射撃。
リーンを抱え、伏せ、耳元で、
「リーンさん、援護お願いします」
と囁き、地面を蹴った。
「貴女なら、大丈夫」
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