CDD
*アンデルセン童話で十題
01 あなたを殺すなら死んだほうがまし(人魚姫)
02 寒い寒い街道で(マッチ売り)
03 どうして生まれてきたんだろう(みにくいアヒルの子)
04 どうしてもコレがいいの!(赤い靴)
05 あなたを追いかけて(雪の女王)
06 私を乗せてどこまでも行って(おやゆび姫)
07 いやいや、オレは嘘はつかないよ。(はだかの王様)
08 綺麗な歌声に歓喜しよう(ナイチンゲール)
09 空を飛んで君に会いに行こう(空飛ぶトランク)
10 きっと君の元へ帰ってくるよ。(しっかり者のすずの兵隊)
ユレロさん宅からお題をお借りしてきました。
暴力表現注意
BL注意
名前は出てないのですが、アルタさんをお借りししました。
物凄く暴力的になってしまって申し訳ないです。
自覚を隠していた事を自覚する話。
ヤンデル路線まっしぐらなうちの偽おっさんを笑ってやって下さい。ヤンデレじゃないですヤンデル。
アルタさん、東雲さんごめんなさい、親子共々大好きです。
何故。
何故こうなった。
ローリィには何も分からなかった、ただ体が勝手に動いた。そう動いた。
目の前の人物を頭から押し倒したのは20秒前、鈍い音がその手に響いたのは19秒前、頭にあった手を首に持っていったのは15秒前、別の手でナイフを取り出したのは10秒前、そして
振りかざしたのは3秒前
「なんで」
誰も本当の答えなど持ってはいない。
誰も自分の答えが本当の答えだから。
望むものは手に入らない。
どうせ壊すから。
なら手に入れなければいい。
だけど欲しい。
誰かのものになる前に奪いたい。
それが人間だから。
知っている、そう知っている。
だけど分からないだから求めた。
この手を振り下ろせない理由。
でもそんなもの
「しらない」
響く自問自答。
目の前の彼は何も言わない。何も言えないのだとローリィは思った。
「いらない」
瞳が揺らいだ。
何時もなら満足するはずの行動。
ただ満足なんかしなかった、何か痛かった。
ナイフは
振り下ろされた。
「ローリィさん…!?」
彼の首を抑えていた手に。
「…わっかんないなぁ、何でなんかなぁ」
声が遠い、そう、遠い。
「いらないよ、俺、いらない。こんなのいらない」
ぼんやりと天井を仰いだ。何もない天井。手は痛くない。骨まで刺さったはずなのに。
「こんな分からないモノ、いらない」
声が遠い、何か言ってる、でも聞こえない。
ねぇなんで、しらない、いらない、どうでもいい、いやだ、いやだ、いやだ。
いらない、いらないなら壊せばいい、壊せば、壊せよ、早く早くさぁ早く壊される前に早く壊してよ壊せよいらないいらないいらない分からない無性に自分を壊したい。
壊したいと思う自分を壊したい。
ただナイフが落ちる音がした。
「俺を殺せばいい、殺せよ、そして全てを元に戻せばいいよ」
でもきっと嫌だというんだ
でもきっと壊されてもいいっていうんだ
壊したくないよ
だからねぇ
俺がこの血に負ける前に
こわすまえに
俺を
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