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【2025/07/02 13:18 】 |
敵も味方も敵

CDD
こっそりダグラスさんとアルタさんとノルディックさんの影がちらほら、お借りいたしました。
カイトとロリの関係。ロリの裏。
奴の裏を本当に知っているのは誰なのか。多分一番ロリをよく知ってるのはカイトかもしれない。
でも何もできないってわかってるもんだから何もしない。
勉強できないけど頭いいのか、悪いのかなんなのか。

「何、余計な事言ってるんですか」


気管が狭くなる。
ぐ、という我ながら情けない声が口からこぼれ落ちた。


「私があのヴィオレと戦っている間、貴方が何をしていたのか知らないとでも?」


これは本気でキレてるな。
この間の戦闘の時だろう、俺があのレセィエルの青年に言った言葉が気に喰わなかったらしい。

『あんたはあいつの恐ろしさを知らないんだ!!』

全く何処から仕入れたのか、はたまた聞いていたのか。
青年を助けずあのヴィオレの副長と二人きりにした事を怒られるかと思ったけど、まさかそことは。
今現在進行形で壊されかけているのに、頭は物凄く冷静で。自分でも驚きだ。
ギシギシと骨が軋む音がする。


「あの子に余計な事、言わないで頂きたいものですね」

「…じつ、だろ…っ…」

「私の邪魔をするのなら、貴方でも容赦は致しません」


足が地面を離れ、宙に浮いている。
俺を片手で持ち上げるなんてお前ソールか。どんな馬鹿力だよ。


「…んだ、…よ」

「……………」

「きら…れ…ら、こ…まる……か」


きらわれたらこまるのか。そう言ってニヤリ、と挑発したら思い切り壁にぶん投げられた。
背骨がみし、と軋んだ音がして、内臓が悲鳴をあげる。まぁ、怪我はしてないから大丈夫だろう。
首に痣は残ったかもしれないけど。


「……ゲホッ!!」


一気に肺に酸素が入る。肺が、気管が急な酸素の供給に追い付かなくて痙攣を起こしている。
無様にゲホゲホと噎せている俺をローリィは冷めた目で見ていた。


「困りはしません」

「いや、困るんだ」

「………」

「ツバキそっくりのあのヴィオレ。あいつを絶望の底へ叩き落とすつもりで俺はあのレセィエルに近付いたと思ったんだけどな、最初は」


何故俺が生かされているか。
そう、奴の復讐の片棒を担いでいるからだ。
そうで無ければ奴の娘に手を出した俺が今ここで生きているはずがない。
父親の遺思を果たす為に始めたこの情報収集が自分の命を繋げる事になろうとは誰が思うか。


「アルタとか言ったっけ、まぁいいや。あの副長がそいつに御熱心なのを利用して、あの副長を壊そうと思った。あの副長の目の前でそいつをズタズタに壊してやろうと思ってたんだろ」


奴からの最初の依頼は、
『あのレセィエルを洗え』
だった。
俺が子供の時からダグラスとかいうヴィオレの副長に御執心だったらしい。
ローリィは自分のいる立場を利用して、情報を集めてはいたらしいがどうも足りない、だから俺に調べさせた。
俺が調べた事を紙にまとめローリィに渡したら、「なるほどねぇ」と恐ろしい顔で笑ったのを覚えている。


「あのレセィエルもだ。まさかお前の下に来るとは思って無かったんだろ?見事に計算が狂わされたんだろうな、苛ついてたもんな。でもよかったな、あの副長が真実を知って、あのレセィエルへの執着を諦めなくて。でも計画違いには変わりない。そこでお前は別の計画を考えた。あのレセィエルを自分の近くに置く事だ。懐かせるだけ懐かせて、最後には」

「まさか貴方の頭でそんな推理が出来るとは思ってもみませんでしたねぇ」


ローリィはくくっ、と笑った。


「今はどうなんだ」

「どうでしょうね」

「もういいんじゃないのか」

「いいえ、まだ」


まだ、足りない。とローリィは言う。
どれだけ自分を壊した女への恨みは深いのか。その矛先の『一部』になっているあの副長は哀れとしか言いようがない。


「俺はもう関わりたくないな」

「あの副長に?」

「レセィエルにもだ。俺はああゆうタイプ苦手なんだよ」

「そう言う人も珍しい」

「それに」


お前のあのレセィエルへの執着も、かなり恐ろしいしな。
そう真面目に言えば、ローリィは、


「貴方が『彼』に『執着』するのと一緒ですよ」


と、くっくっと笑った。

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【2010/02/28 23:10 】 | CDD | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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