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【2025/07/03 13:16 】 |
地雷と爆弾

CDD企画
ノルディックさんお借りしました。

そう、それはいつもの事だった。


「……あ…!!」



チ ガ ミ タ イ




自分の中のもう一人の自分が目覚める、そんな感覚。
血を欲する、ソールの血がざわめいているのが分かる。
そういえばここ最近、戦闘らしい戦闘もしていなかった。


「…く…そぉ…」


今、自分の前に仲間が現れたら。早く部屋に戻らなければ。
そう考えた時、見えた水色の髪。


「…あ…あぁ…あ…!!」


今、出会ったら、話しかけられたら、確実に……





「そ…んなの、嫌だあぁぁあ!!」


振り下ろされた腕の先には、






パリン!!







窓硝子。
窓硝子は粉々に砕け散った。
腕に鋭い痛み。硝子で深く切ったのだろう、服には真っ赤な血が滲んでいた。




タ  リ ナ イ




しかし、振り回そうとした腕は、別人の手に捕まれていた。
ノルたん。


「の…る……」

「ダ、め」


そう言うとノルたんは、何時ものように高く、高く笑い出した。
そう、俺がノルたんの地雷を踏んだのだ。


「ヒャハハハ!」

「ノル…ノルたん…!!」

「知らない、知らない知らない知らない」


すぅ、とノルたんが撫でた手の平から流れる血。
ぼた、ぼたぼた、と血が床に滴る度、徐々に引いていく血への渇望。


「ノルたん!!やめろ!!おいっ!!やめてくれ!!」


正気に戻っていく中で、仲間に血を流させ、仲間の血をみて満足した自分への怒りが込み上がってきたと共に、彼を止めなくては、と必死に呼びかけた。
彼は戻ってこない。


「ノル…っ!!」

「知ら、ない」


ぷつ、と糸が切れた操り人形のように、ノルたんはがくり、と膝をついた。
覗き込めばぐる、と俺に顔を向け、


「大丈夫ゥ?」


と笑う。
そういつもの笑顔で。


「……あぁ」


俺は微笑んだ。
ちゃんと笑えたかは分からない、だが
俺は笑った。

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【2010/02/01 22:50 】 | CDD | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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