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【2025/07/03 23:27 】 |
仲間想いの間違った方向

R.N!企画
クロチェ君、クラウディアちゃんお借りしました。

「………」


幸せそうだ。
なら、いい。


ぼんやりと、空いたクロチェの机を眺めて、最近幸せそうにしているクロチェを思い浮かべた。


「……それにしても…暇、だな」


散歩にでも行くか。ついでにクロチェに会ったらからかってやろう。
何となくそんな事を思って外に出た。
背中から「マフィア狩りは程々にしろよ!!」と仲間の声がしたが、気にする事は無い。
別にマフィアを狩りに行く訳じゃない、いたら狩るけど。


最近毒まんじゅうを見かけた事は無い気がする。
何時からだったか…あぁ、あの時からか。俺が暴走した時。
会いに行くべきだったか、まぁいい。
俺も色々(主に親父辺りの事で)忙しかったしな。
なんて考えてたら電話が鳴った。アルジェントアラからだ。


「…なんだ」


少女が暴行を受けた、今すぐ確保に向かえ、という。


「おいコラ、こっちは非番だ」


と言えば、お前が一番近いと言われた。
くそ、GPSめ。まぁいい、マフィアだったら狩っておこう。




現場に向かえば、本当に男が転がっていた。蹴っても起きない、引きずって行こう。
側には割れたサングラス。


「……これは、毒まんじゅうのか」


あいつ、光が駄目じゃ無かったか?
聞いていないが、多分保護されただろう。
だがもしされていなかったら。
チェルカーレバンビーノとはいえ、危険な状態だ。


「…はぁ」


少し辺りを見る事にした。
勿論男は引きずっていく。
ふと、眼鏡屋の前を通ったその時。


「…………あ」

「……クレセアさん」


曲がり角でクロチェと鉢合わせた。
なんだこのお約束みたいな再会は。


「え!?クレセア!?」


隣には目隠しをした毒まんじゅう。
クレセアーとぴょんぴょん跳ねている毒まんじゅうはともかく、なんだこの気まずい空気は。


「………それ」

「…あぁ、拾った」

「クラウを襲った」

「………うぅん…」


男が唸る。
目を覚ましたらしい、引きずったのが悪かったか。
クロチェの顔に警戒の色が走った。


「……あれ…お」

「寝てろ」

「ぐぎゃっ」


鳩尾に踵を落として、奴の意識も落とした。
ついでに何発か蹴飛ばしておく。


「これで引きずっても暫く起きないだろ」

「ここまで引きずって来たんですか…それはクラウの薬でも起きますね」

「ヘ?ナニナニ?どうしたノ
?」


毒まんじゅうが首を傾げている。


「おい、毒まん」

「毒まんっ!?ソレってボクの事!?」

「お前以外に誰がいる」


ヒドイヨ!!と頬を膨らませたのを潰せば、ぷっ、と面白い音を立てた。本当面白い。
もっと遊んでやりたい所だが、この男がいるし、クロチェに悪い為、この変でやめてやる。有り難く思え。


「この間は怖がらせて悪かったな。もう大丈夫だ」

「何かあったんですか?」

「聞くな。俺の人生最大のトラウマと汚点だ」


不思議そうに首を傾げるクロチェと、ポカーンと大口開けている毒まんじゅう。漫画みたいな綺麗な犬歯見えている、抜くぞそれ。


「じゃあな。いいサングラス買ってやれよ、クロチェ」


そうヒラヒラと手を振り、踵を返した。
全く、恥ずかしい事言わせやがって。










「……あれ?」

「どうしたノ?クロチェ?」

「クレセアさん、本部と違う方向に歩って行ったけど……ん?」

「クロチェ…?」

















「うぅ…」

「起きたか」


男に銃口を向けると、男の顔から血の気が引いていった。


「お前っ…!?」

「マフィアだな」


かち、と銃の安全装置を外した。


「アルジェン…トアラ…!?」

「さぁな」

「…くそっ!!」


男がナイフを取り出した


「お前、邪魔なんだよ」



ガゥンッ!!



その手を吹き飛ばした。


「う…あぁ…!?」

「俺にとっても、あいつらにとってもな」


後ずさる男。
男に近付く足音。


「い…嫌だっ…来るなぁ!!」

「泣こうが喚こうが、ここはお前ら位しか使わない裏道。誰も来やしないさ」


そして、最期に冷笑。


「死 ね」







絶叫と銃声の不協和音。
幼い頃から幾度と聞いたそれはもはや何の感情も与え無かった。



















「死の…臭いが……した」


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【2010/02/01 22:28 】 | R.N!企画 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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