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【2025/07/03 18:55 】 |
Please kill my Fear

R.N!企画
ノークトさん、ハヤテ君、クラウディアちゃん、ヴェローチェさんお借りしました。

親父が撃たれた。




「………は?」


その連絡を受けた時、俺はハヤテと見回りの最中だったと思う。あまり覚えていない。


「…どういう…事だ?」


マフィアに襲われたのだという。
意識不明の重体、助かるかもわからない。
その事実が脳に届いた時には、携帯は地面で粉々になっていた。


「く…くれやん…?」


銃口から発する煙の向こう、当たり前だがハヤテは驚いた顔で俺を見ていた。


「…親父が」


淡々とその事実を告げれば、ハヤテはみるみる顔を青くして「病院!!」と俺が病院名を告げる前に走り去ってしまった。
多分大丈夫であるから放っておいたが。

粉々になった携帯電話。




俺は不思議と冷静だった。





「……またマフィア、か」


それしか無かったからだろうか、ただ親父が死ぬかもしれない、その事実に応えたのはマフィアへの憎悪だった。






+++++++++++






「…クレセア、やり過ぎだヨ」

「そうか?」


刀の血を拭い、腕に納めた。後ろでクラウが震えている。
周りにはマフィアの死体。三人、今日は少ないな。


「…次、行くか」

「まだやるノ!?」

「勿論」

「昨日大怪我したジャン!!今日も怪我してるでショ!?」

「問題ない」

「大有りだヨ!!」


親父が凶弾に倒れて三日目、意識はまだ戻らない。
俺はただ殺していた。
アルジェントアラとしての仕事は勿論、ちゃんとしている。
だがこれは俺個人でやっている事。
アルジェントアラの皆で『親父を撃ったマフィア』を探す中、クラウの情報を元に、一人俺は『マフィア』を探した。


「そんな事したってノークトも、クレセアのお父さんも喜ばないヨ!!」

「……」

「クレセアのお父さんはマフィアに殺されたんだよネ、ノークトもマフィアに撃たれたヨ。だけど沢山マフィアを殺して復讐する事が二人の幸せなノ?…ボクは違うと思う」

「……」


核心を突かれたと思った。
それは昔から、ハヤテにも、あの青フンにも、勿論親父にも、言われてきた事。
昔を思うと、マフィアを憎しみのままに殺し、家族を殺されたその苦しみや辛さを払う、それはただの自己満足に思えた。


「………あぁ、違う」

「なら…」

「だが別に構わない」

「エ…?」


別に構わない。
父さんや、親父が悲しむのは嫌だが
、別にいい。
俺の為に悲しむ事はしなくていい。


「もう、失わせたくない失いたくない。それだけだ」




幸せを奪おうとするなら、先にこっちから奪う。
人間そうやって生きる生き物だ、誰かを犠牲にしなくては生きてなどいけやしない。
もう俺の手は汚いんだ。汚い事は汚い奴がやればいい。
綺麗なあいつらの世界を汚す事は無い。
どちらにしろ、自己満足なだけだけども。


「…でも、間違ってル。何がとか…上手く言えないケド…間違ってル」

「俺もそう思う」





ただ、頭は冷静だった。





++++++++++





「……」


皆、泣いている。
親父が目を覚ましたから。
泣きそうな顔だ、と言われて俺にもまだ嬉しくて泣ける感情があるのか、と思った。


「おやおや、貴方は行かないのですか?」

「何故貴様がいるんだ」

「何故でしょうねぇ?」


この桃フンが、と憎しみを込めて吐き捨てればハイハイ、と流された。


「行けばいいじゃないですか」

「別に」

「怖かった癖に」

「怖くなど」

「少なくとも」


貴方の仲間達は気付いていたでしょうね。
そう言ってヴェローチェは目を細めた。
ハヤテを見てるのだろう。


「…」


皆が親父を取り囲んで、喜んで泣いている。
お前ら病院で騒ぐな!!と口では厳しく言う親父も、また嬉しそうに微笑んでいて。


もしかしたら、


何も語らない、親父の死体を囲んで皆で悲しみ泣いていた、かもしれなかった。





(オトウサン、メヲアケテ!!――…)





しらない、そんなもの。
しらない。


つ、と頬に涙が伝い、落ちていった。










「……怖かったさ、だから殺したんだ」


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【2010/02/01 22:33 】 | R.N!企画 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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